免疫力を上げる食生活で
冬を元気に乗り切ろう #1

2020.12.10

私たちの生活を一変させた新型コロナウイルスや、冬に流行するインフルエンザなどの感染症。さらに細菌やカビなどさまざまな病原菌。これらの外敵から身を守るため私たちの身体には「免疫」という仕組みが備わっており、免疫による防御システムの強さを表すのが「免疫力」です。当然、病気を退け健康を保つためには、少しでも防御システムを強くする=免疫力を上げていく必要があります。
免疫力を十分に高めるためには規則正しい生活とバランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスをためずに心にゆとりを持ち、たくさん笑って、たくさん楽しみながら生活することが大事です。今回は、そのなかでも食にスポットを当て、#1では身体を元気にする食材を、#2では食習慣におけるポイントをご紹介します。日常の食事に今よりもう少しだけ気を配って、免疫力をアップ!感染症や病気から身体を守り、元気な冬を過ごしましょう。

免疫の仕組みとは?

身体に入ろうとした外敵(ウイルスや細菌)を、まず防御するのが目、鼻、口、腸などの粘膜です。ここで病原体を殺す物質を含む液を出して外敵をブロック。それでも防御しきれず侵入してきた外敵はさまざまな種類の白血球で防御し、さらに自然免疫という作用によって排除を促します。このように何重にも備わった免疫による防御システムが、私たちの身体を守っています。

免疫力を上げる食事のポイント

野菜も、肉や魚も、発酵食品などもバランスよく摂ることが大切です。さまざまな食材からまんべんなく栄養を摂ることで免疫力が上がります。バランスの良い食事を心がけながら、免疫力を上げる食材を積極的に取り入れるとなお良いでしょう。また、身体が冷えると免疫細胞を運ぶための血流が滞り、免疫力も下がるので、冷たいものや身体を冷やす食事をなるべく避けることもポイント。体調が良くないときはスープや鍋などで身体を温め、消化の良い食材を選ぶのがおすすめです。

免疫力UP!
カラダを元気にする食材 

タンパク質をバランス良く摂って病気への抵抗力を高める

タンパク質は健康な皮膚や粘膜の材料となる、免疫細胞の主成分。ウイルスや病気への抵抗力を高め、ケガや炎症を治りやすくします。肉や魚、卵などの動物性タンパク質と、豆腐などの植物性タンパク質をバランス良く摂りましょう。

成長期のお子さまに
特に摂ってほしいのは、納豆や鮭など。カルシウムの代謝に関与して骨を丈夫に保つ、ビタミンKやビタミンDが多く含まれています。

きのこ類やヨーグルトで免疫細胞を活性化

きのこの食物繊維の一種、β-グルカンは検疫力を活性化する働きがあり、特にまいたけに豊富です。アスパラガスは免疫細胞の活性化に加え、抗ウイルス作用もあるといわれます。ヨーグルトや漬物など乳酸菌を含む食材も優秀です。

30~40代の男性は
仕事のストレスや身体の変化が現れやすいこの時期から、健康を意識した食生活を。β-グルカンは血中のコレステロールを下げる働きもあるため、きのこはおすすめです。

緑黄色野菜や赤ワインで体内をサビつかせない

体内の活性酸素が増えると、鉄にサビがつくように活性酸素が細胞を傷つけ、免疫細胞の力が弱まります。抗酸化作用のあるβ-カロテンを含む緑黄色野菜や、ポリフェノールを含む赤ワイン、玉ねぎ、ごぼうなどを摂って活性酸素の働きを抑えましょう。

妊活中の女性は
葉酸の摂取を。特に妊娠初期の赤ちゃんにはたくさんの葉酸が必要です。ブロッコリーやほうれん草など、冬が旬の緑黄色野菜に多く含まれています。

発酵食品や海藻などで腸内環境を整える

免疫細胞の約6割は腸に集中しているので、腸内環境を整えることで免疫力も向上します。乳酸菌を含む食材や、オリゴ糖が摂れるごぼうや大豆も○。便通を良くして腸内の毒素を排出するため、食物繊維を含むきのこや海藻、オクラもおすすめ。

女性は
女性ホルモンのバランスにより便秘になりやすい時期があります。食生活の乱れや食物繊維不足に注意し、みそやキムチなどの発酵食品も積極的に摂りましょう。

INTERVIEWEE

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管理栄養士・料理家金丸 絵里加さん

「おいしい」と顔がほころぶような、毎日食べてもあきない「健康的なおうちごはん」を提案。健康的な食生活のために、栄養価も含めた料理レシピを書籍、雑誌、テレビなどで精力的に活動中。近著に、「夫婦ふたりの健康を守る! シニアごはん」(エイ出版社)など。

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