舟を編む愛すべき人々が織りなす
「辞書」づくりの世界へようこそ

2018.11.01

遠ざかっていた
辞書が恋しくなる作品

1冊の辞書には、こんなにも気の遠くなる年月と、言葉への愛が注ぎ込められていたのかー。

玄武書店に勤める馬締光也は、営業部では変人として持て余されていたが、人と違う視点で言葉を捉える感性を認められ、新しい辞書「大渡海」を編むメンバーとして辞書編集部に迎えられる。はじめは編集部でも浮いた存在の馬締だが、定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者の言葉への敬意や情熱に触れ、次第に辞書作りに没頭。その真摯な姿に心をひとつにする同僚たち。

「辞書は言葉の海を渡る舟だ」「海を渡るにふさわしい舟を編む」。このフレーズに編集者の辞書編纂に対する使命感が滲みでる。

15年もの月日を費やしてやっと刊行を迎える「大渡海」を縦軸に、馬締の運命の人との出逢いや結婚、各登場人物の互いを支え合う人たちとの温かな関係を絡ませて物語は編み上げられていく。

松田龍平、宮﨑あおいで実写映画化もされた、三浦しをんの本屋大賞受賞作。巻末に添えられた「馬締の恋文」全文公開も必見!

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舟を編む

著:三浦しをん
出版:光文社文庫
価格:620円(税抜)

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