不思議の国のアリス絵本のイメージを変える
大人のファンタジー

2019.02.07

やっぱりすごい!名作絵本の原作を読めば、
きっと物語と挿絵の魅力にハマるはず。

主人公であるアリスが懐中時計を持ちチョッキを着た白ウサギを追って夢の国に迷い込み、摩訶不思議な冒険をする。その世界でアリスは、薬やキノコで体が大きくなったり小さくなったり。「おかしなお茶会」では女王陛下に時間を取られた帽子屋の終わりのないお茶会に参加、動物を道具にした風変わりなクロッケーを経験、「タルトを盗んだのはだれ?」の章では、裁判に巻き込まれ悲鳴を上げたアリスが、次の瞬間、夢から覚める…。筆者のルイス・キャロルは英国の数学者、論理学者であるため、その経歴が物語るように書き進められる内容は奇想天外。作中に挿入される詩や童謡の多くは韻を踏んだリズミカルな文体で、その当時の教訓詩や流行歌のパロディがちりばめられたとか。また、緻密な線画の独特な挿絵も魅力。不屈の名作として世界中で愛されるこの小説、実は、作者が仲のよかったリデル家の三女アリスのために即興で聞かせた話がもとになっているという。その成り立ちから、そもそも一人の少女のために生まれた、究極のおもてなし小説といえるかもしれない。『不思議の国のアリス』は絵本や映画でしか知らない…。そんな大人におすすめの1冊。

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不思議の国のアリス

著:ルイス・キャロル
訳:河合祥一郎
出版:株式会社KADOKAWA
価格:440円(税抜)

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