夏のロケット宇宙に憑かれた大人の
夢を描いた青春小説

2019.06.13

ミサイル爆発事件×ロケット打ち上げ
ロマン溢れる理系青春ミステリー

主人公の高野は科学部宇宙担当の新聞記者。ある日、マンションの一室で起きた爆発事故を調べていたとき、その残骸物が高野にとってなじみの深い部品であることに気づく。バイキングによる火星探査のニュースをテレビで見て以来、火星オタクとなった高野は友人に誘われて高校の天文部に入部。癖のある変わり者だが才能あふれる仲間たちと17回にもわたるロケット打ち上げを敢行した経験がある。もしや昔の仲間がこの事件に加担しているのでは!?新聞記者ならではの直感が高野をつき動かすー。ロケット製造といえば国家の一大プロジェクトの感があるが技術力の高い町工場、その域の専門性に長けた科学者や職人の取り組みでそれが成就することへの示唆は、昨今の民間によるロケット発射計画を裏付ける。日本テレビ出身のジャーナリストの筆者が描く、ついつい引き込まれてしまうライトミステリー仕立ては夢や物づくり、科学への興味の有無にかかわらず共感できる題材なのでは?目的に向かって猪突猛進する人たちの爽快さを魅力的に描き出した第十五回サントリーミステリー大賞優秀作品賞の受賞作。

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夏のロケット

著:川端裕人
出版:文春文庫
価格:750円(税抜)

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