34丁目の奇跡見つめ直したい「信じる心」
「目に見えないもの」

2020.12.03

心にぽっと灯がともる、
忘れていた大切なもの

ニューヨーク・マンハッタンの34丁目にあるメイシー百貨店。クリスマス商戦たけなわのおもちゃ売り場に、サンタ役として一人の老人が雇われる。彼の名はクリス・クリンゲル(サンタクロースの別名)。そしてその風貌は、なんとサンタクロースにそっくり!クリスは「どの子にも希望のプレゼントを届けたい」との一心から、ライバル店の商品をすすめてしまうほどの変わり者。だが、その型破りな善意の商法が評判を呼び、クリスは瞬く間にときの人に…。そして、そこから捲き起こるハプニングとは?クリスマスイブに起こる34丁目の奇跡とは?過去の辛い体験から頑ななリアリストになってしまった母と彼女に育てられた冷めた娘、そして二人を憂う若手弁護師を絡めながら進むストーリーが興味津々。「この世には、見えない善いものがいっぱいある。愛とか、喜びとか、幸せとか。そういうものを、もっと信じようじゃないか!」「クリスマスは<心>」など、印象的なセリフが、忙しさで余裕を失った心にやさしく降り積もる。クリスマスが近づいてきたこの時期に、大人になった今こそ本当に大切なものに気づかせてくれるあたたかい作品は、プレゼントにもおすすめ。

INFORMATION

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34丁目の奇跡

著:ヴァレンタイン・デイヴィス
訳:片岡 しのぶ
出版:あすなろ書房
価格:1,200円(税抜)

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